事業をしている父親が生きているうちに家督を譲りたいというのですが…
相続というのは、亡くなった人の遺産を誰かが受け継ぐことをいいます。
また、相続で受け継がれる財産のことを「相続財産」、あるいは「遺産」といい、民法第882条では「相続は死亡によって開始する」と規定されています。
つまり、相続は人が亡くなったと同時に始まるものですので、どのような理由があったとしても生きている間は相続することはできません。
ちなみに、家督相続や隠居が認められていたのは、家族制度のあった戦前(昭和23年の民法改正前)の話です。
死亡した時刻はどのように判断するのですか?
「相続は被相続人が死亡したときから始まる」のですが、実際素人では、死んだ時刻を正確に判断するのは困難です。
なので、病気で亡くなったときには医師の死亡診断書の時刻、事故死の場合は検死をした医師の死体検案書の時刻が有効になってきます。
つまり、医師には、病気を治療する以外に、死亡を確認する役目もあるということです。
なお、相続では戸籍に書かれた死亡時刻が最も確かな証明となりますので、誰かが死亡したら、まずはこの診断書あるいは検案書と、死亡年月日・時刻・場所を記した「死亡届」を役所に届け出るようにしてください。
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