遺贈・相続のトラブル法律ガイド



工場などの土地や建物の遺産分割について

分割相続すると経営が成り立たなくなるケース

次のようなケースの遺産分割を考えます。

■工場の経営者であったAさんが亡くなり、妻と3人の息子が遺産相続することになった。
■妻はAさんの仕事を手伝っていたが、子供たち3人は家を出て会社員になり、別々に暮らしている。
■残った財産は、ほとんどが工場関係の土地や建物である。

まず、Aさんと妻が住んでいた家についてですが、多くの場合、Aさんの妻がすべて相続します。

これは、家を息子たちとの共有にすると問題を残すことがあり、妻が息子たちに多少の代償金を支払ってでも、単独で所有したほうがよいケースもあるからです。

次に、Aさんが経営していた工場ですが、これも下手に分割してしまいますと、工場経営に支障をきたすことになります。

これは、とくに個人企業の場合には、複数の相続人で遺産分割してしまうと、事業がバラバラになり成り立たなくなる恐れがあるからです。

個人事業の財産には、不動産以外にも、設備機械や仕入先、販売先などというお得意様との関係も含まれますから、妻が工場を手伝っていたのであれば、やはり妻が単独の所有者として相続し、代わりに代償金を息子たちに支払うのがよいと思われます。


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