遺贈・相続のトラブル法律ガイド



行方不明の者は相続人になれないのか

遺産を分ける兄弟の中に7年以上行方不明の者がいたら?

民法第30条では、次のように規定されています。

⇒ 「不在者の正史が七年以上明らかでない場合、残された家族などの利害関係人は家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをできる」

つまり、蒸発して行方知れずの人物については、死亡とみなすということです。

なので、例えば、父が他界して遺産を兄弟で分け合う場合に、すでに7年以上行方不明の者がいるのであれば、家庭裁判所に訴えて調査してもらい、家裁が「失踪」という結果を出せば、行方不明になった日から7年経ったときに、その者は死亡したとみなされます。

そして、「失踪宣告」が出たら、裁判の謄本と確定証明書を添えて、失踪人の戸籍のある役所に届け出を出せば、死亡と同様に除籍となります。そうなると、当然、この者は相続人になれないことになります。

もし行方不明の兄弟に負債があった場合は注意!

上記の件では、行方知れずの兄弟にマイナスの財産、つまり負債がある場合には注意が必要です。というのは、失踪宣告をすることで、それも相続人に受け継がれるからです。

親の遺産のことで頭が一杯で、兄弟の負債まで気が回らずに、莫大な借金を支払わなければならなくなったなどということがないように、兄弟の財産についてもしっかりとした後始末が必要です。


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